喘息症状の予防(長期管理)について
喘息は、慢性炎症によって気管支が過敏になるため、何度も繰り返しがちです。お子様は成長盛りで、気管支が大人の気管支に向かってどんどん太くなる時期です。しかし、喘息を繰り返すと気管支が硬くなり、太くなるのが障害され、細めの気管支のまま大人になることが心配されます。それを防ぐには、喘息症状が再発しないように「予防」が大切ですが、とりわけ小児期の対策が必要です。その予防に使う長期管理薬をお伝えしたいと思います。
長期管理薬には、主に(1)ロイコトリエン受容体拮抗薬、(2)吸入ステロイドという薬が使われます。では、この薬は、どの様な患者さんに使うのでしょうか?
実は、同じ喘息といっても症状のひどさや回数は様々で、そのタイプにより治療法が異なります。最も多いのは、季節の変わり目に年に数回、喘息を起こす間欠型で、原則はその都度しっかり治療します。一方、長期管理薬が推奨されているのは、①喘息が毎月のように頻繁に起きる持続型と呼ばれるタイプ、そして、②合計3回以上、喘息症状を起こした乳幼児です。その症状の重さ(眠れるかどうか、入院になるか否か)により薬の種類が決定されます。
基本は3か月を目途に効果をチェックし、薬を減らしたり増やしたり調整します。その理由は、薬の使用を必要最小限にしたいためです。
一方、喘息は個人差がとても大きい病気です。患者さんに合わせたバランスの取れた治療が望まれ、お子様の喘息がこどもの内に治り、より良い生活が送れるのが私達の願いです。